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拒まれた葬儀

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信心会に到着する棺 Photo by Ansa

11日、軟禁状態にあった友人の弁護士宅にて、100歳で亡くなったエーリヒ・プリーブケ元ナチス親衛隊将校。
彼の死は、1944年ローマにおける市民335人の虐殺という残忍な行為と同じくらい、ローマのみならずイタリア全体に大きな波紋を投げかけた。
まずローマ市長が、「ローマは反ファシズム、反ナチスの街であり、このような犯罪を犯した者の葬儀・埋葬は受けいれない」と発表。
さらにヴァチカンが、教会での葬儀を許可しないと通達。

イタリアにはユダヤ系の人々が多く、数多くの都市にユダヤ人居住区であったゲットーが残っている。
多くの人が惨殺されたり、子どもからお年寄りまでイタリアからアウシュビッツ収容所のガス室へと連行され、還らぬ人となった。
時の経過に伴いナチスの残忍な行為を忘れてはならないと、記念日がやってくる度にこの話題は市民レベルでもメディアでも取り上げられる。
プリーブケ元将校は、生前自らの行為を後悔する気持ちを全く示さなかったため、彼への反感は一層強いものとなった。

結局葬儀は、知事の命によりローマから30キロほどのアルバーノという街の信心会にて執り行われる。
が、この事実を知った住民たちは猛反対。
信心会入り口付近で、棺をのせた霊柩車を殴る蹴るの騒動となった。
さらに、ネオナチの集団が遺体崇拝のためやってきて、住民と衝突。
この騒ぎで葬儀は途中でとりやめとなり、棺はイタリア軍空港の倉庫に安置される羽目に。

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生前のプリーブケ元将校

1週間たった19日、プリーブケ元将校の弁護士が、「埋葬場所に関する話がまとまった。場所はトップシークレットだが、イタリアかドイツ」と発表。
が、ドイツ外交筋はそのような話は受けていないと述べ、ドイツ在住の子息もドイツでの埋葬を受け入れていないという。
100歳という長寿をまっとうしたにもかかわらず、死後誰からも受け入れられない哀しい人生の結末。
イタリアにおけるナチスへの根強い嫌悪感と、与えた多くの憎しみは、自らに戻ってくるということを見せつけた出来事である。


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イタリア在住16年のジャーナリストが、一般メディア媒体では伝えられることの少ないイタリアを発信

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